古舘伊知郎の魂の目的

こんにちは、人生最適化®コンサルタントの礒 一明です。

日本でイベントが終わった後、ホテルに戻った時のお話です。テレビをつけると古舘伊知郎の半生を振り返る番組をやっていました。

中身が大変興味深く、思わず最後まで見てしまったのですが、ここに人生がどういう仕組みになっているか、見事な縮図になっていたので、改めてスピリチャルな観点から私の解説付きでご紹介したいと思います。

しゃべりの天才、しゃべりのプロと言われる古舘氏ですが、彼は実は小学校時代はコンプレックスの塊だったと言います。

というのは彼には姉がいて、その姉がお母さんと共に、それこそ、おしゃべりの天才だったからだそうです。近所でも有名なおしゃべり上手なお母さんと、それに負けないくらい、おしゃべり上手なお姉さん、この二人が家の会話を独占するので、古舘氏は子供の頃ずっと無口で育ったと言います。

またお姉さんが勉強も出来て、聡明であった為、すべての面で古舘氏はコンプレックスとの戦いで、そこから小学校の時はかなり太っていたのもあり、太った無口、と言われていたそうです。

しかし、人生とは面白いもので、その聡明でアナウンサー希望だったお姉さんはその時の時代背景もあり、大学卒業と共に就職もせずに、そのまま結婚し主婦となります。

一方、姉に負けないようにという気持ちからアナウンサー学校に入り、無事アナウンサーになったのは古舘氏の方でした。入社後メキメキ頭角を表し活躍していたある時、古舘氏の元に悲しい知らせが舞い込みます。

それは、お姉さんが進行性の末期ガンだというのです。

しかし、古舘氏もそして彼の母親も癌であることを本人に告げられないでいました。真実を告げて、相手が悲しむ姿を見るのをとても自分は耐える事が出来ないと思ったと言います。そして彼自身、自分が真実を告げられなかったのは、自分のエゴだと未だにご自身を責めているようでした。

さて、しゃべりのプロ古舘氏と、そして、とてもおしゃべりだったお母さん、このお二人は癌の真実を本人に告げられなかったわけですが、家族で一番寡黙なお父さんが驚くような事をしていた事を後日知る事になります。

古舘氏の父は、娘が癌だと分かった後、仕事の休み時間事にほぼ毎日、娘の病室に通い、彼女が癌である事、そして治る見込みがない事、しかし死というのは、死期が近づくにつれて、生命力も下がっているので、実はだんだん穏やかに死を受け入れやすい状況になっていく事等を毎日淡々と話し続けたと言います。

死ぬと分かった時、最初は抵抗するものだが、だんだん時間と共に、そして体力の低下と共に、体の中に入っている状態から自然に他界する。そのトランジションが私の聞いている限り、とてもスムーズに起きるようだという事を父は娘に毎日話し続けたようです。

当初は、そんな話を聞きたくない!と拒絶することもあったお姉さんですが、ある日その話を全部受け入れた日があり、父は上機嫌でその話を初めて古舘氏を含め家族に話したそうです。

これは、今でいうターミナルケアー(終末ケアー)でそのお父さんは自然体でそうした事が出来る方だったのでしょう。

古舘氏は最愛のお姉さんの死を悲しみ、そしてまた真実を告げる事が出来なかった自分を責めます。

しかし同時にお姉さんの夢でもあったアナウンサーという職業を自分はしているので、

自分の喉が擦り切れてもずっとしゃべり続ける事が、残された彼の使命だ、

と感じているようです。

しかしまたプロとして真実を届けるという観点から一体どうしたらいいのか、その答えは未だ模索中ということで番組が終わります。

この人生模様に人生のコントラストが随所に散りばめられていたのが私にはとても印象的でした。

まず第一にしゃべりの天才である古舘氏が無口な少年時代を過ごした事、人生で自信のない前半と自信を得て才能が開花する後半というコントラストが、人生の青写真に含まれる事はとてもよくあります。

次に、子供時代でおしゃべりなお姉さんと無口な古舘氏、こうした対極的な正反対な性格で兄弟が選ばれる事もとてもよくあります。そこに学びがあるからです。

今回の例で言えば、自信がある姉とそれに追いつこうとして頑張った古舘氏、そして結果お姉さんの夢を引き継ぐ形でアナウンサーとして活躍し、古舘氏が自信が無い所から自信がある所まで大変身をする、その導き役となって、世を去ったお姉さん。

しかし、その過程で今度はおしゃべりの天才の古舘氏と一番無口だったお父さん。
ところが、真実を語るという事に関しては一番饒舌であったお父さんと、真実を語る事に関しては何も話す事が出来なかった古舘氏。見事なコントラストだらけの家族構成と人生の青写真と言えると思います。

ここで私が人生の課題という点から人生のテーマという観点からお伝えしたい事は一つです。

古舘氏がお姉さんの意志を継ぎ、生涯、ご本人の表現を借りれば「喉佛がすり減るまでしゃべり続けるのがミッションだ」と感じているようですが、

実はここで宇宙が古舘氏に届けているテーマは話す量の話ではなく、質のお話だと思います。

古舘氏を知っている人は、彼が限られた時間に見事な表現を使って、早口で滑舌良く話しているのを見た事があるでしょう。その部分に関しては彼は天才だと思います。

しかし、同時にお姉さんの末期に直面して、そこでそのテーマに正面から向き合う事も、ご本人曰く出来なくて、真実を伝える事も出来なかった。

そこで普段無口なお父さんが、真実に関してはとても饒舌になったその姿を見て、話すという事は何かという事を古舘氏が真剣に考えざるをえない出来事が、おそらく予定通り起きたわけです。

最近10年以上続けた報道ステーションのキャスターを降板しました。このタイミングも偶然ではなく予定通りだと私は思っています。というのは、報道という仕事はいわゆる、ものすごい量を話します。同時に形や制約があるので、自分の思った事を話す時間はかえって少なくなります。

私は今回、古舘氏に起きた全てのでき事は古舘氏が「真実を話すという事は何か」これに関して、考えるきっかけを宇宙が届けたのだと思います。

プロの話というのは、量を話す事でも、早口で話す事でも、間違いなく話す事でもなく、魂から感じた事をそのまま話す事が出来るか?というのも一つのテーマだと思います。

こんな感想を持った番組でした。番組の終わりに古舘氏がなんども「こんな番組を作って頂いて感謝の気持ちしかありません」と繰り返していたのが印象的でした。

古舘氏の人柄に触れた、心が温まる番組でした。

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