私はアメリカに住み、そして、年に数回日本を往復する生活を送っているわけですが、こうして2つの拠点を持ち、2つの国を往復することで、気がつくことがあります。
それは、
環境がつくる心の状態
です。
これはみなさんも経験したことがあるのではないでしょうか。
例えば、ずっと家と会社の往復が続いたりして、そして、ある時に旅行で初めての土地に出かけると、その場所にいたならではの心の状態を手にすることができます。
そしてその新しい場所が国をまたぐとなると、更にとても新鮮な心持ちを手に入れることができます。
私の場合は、住居のある南カリフォルニアと、そして日本にいる時でそれぞれ、同じ自分でありながら自分の中の何か違う部分が表に出るようで、異なる場所で異なる心持ちを経験します。
これは、自分が変わってしまうのではなくて、自分の中で、まだ引き出されていないものが表に出てくると考えています。
その意味で、日本とアメリカを往復しながらという生活は、ビジネスの点からも、そして、プライベート、また自分発見という観点からも、私にとってとても心地の良いライフスタイルになっています。
さて、こうした心の拠点は海外でなければいけないというわけではありません。
例えば、私のようにメルマガを発行している人の中には、スタバなど、公共の場にいて、そこでクリエイティビティが一番発揮されるという人は大勢います。
これなども、自分の身近に心の拠点をつくったよい例です。
心の拠点は意識することでつくることができます。
先程のスタバの例を取りますと、ある場所に行き、そこでいつもクリエイティブな活動をすると、ある時点からその場所に行くだけで、自分のクリエイティブスイッチがオンになったりします。
ハリーポッターの著者、ジョアン・ローリングがいつもカフェで原稿を書いていたのも同じ現象でしょう。
また、自分と向き合い内観したいと思った時に、近くのお寺をいつも散歩するとします。
それを何度も繰り返していると、もうそのお寺は自分の中で、内観の散歩道となるわけです。
人は視覚情報が一番効率よく、そして最大の情報を入手していると言われています。
例えばですが、高速道路を車で走っているのを想像してみてください。
この時、潜在意識はすべての視覚情報を受け取っていると言われています。
すると、高速道を走っている時に、脳内に飛び込んでくる視覚情報はパノラマ状態で隅から隅までカバーしたと考えてみると、とてもたくさんの視覚情報が飛び込んでいるのが分かります。
例えば、CDを聞くなどした時の音声で入ってくる情報よりも、はるかに情報量が多いのは感じていただけると思います。
その意味で、場所が変わり、視覚情報が変わると、心の状態も変わるというのは、知っておくと便利です。
ということで、こんなお話にピンときたら、今日は、あなたのお気に入りの場所に行ってみてはいかがでしょうか。
そして、まだお気に入りの場所が近くになかったら、心の拠点を近くにつくりはじめてみてはいかがでしょうか。
礒 一明