礒が受験で目指していたのは、上智大学の外国語学部・英語学科というところで、英語学科は当時、日本の英語教育の最高峰とされていました。
入試では、普通の人が読み終えることもできないような長文が登場し、その内容を正確に理解して答えることができるかどうかが合否の分かれ目でした。
なので、1分間に150~200ワードぐらいの英文を読むことができ、かつ8割~9割以上の意味を理解できなければ、歯が立たないとすらいわれていました。
礒は、現役生の頃も上智大学を受けていましたが、そのときは英語の問題の文量に圧倒されていたそうです。
しかし、礒は瞑想を取り入れることによって、長文を読破するスピードと集中力が圧倒的に向上していました。
礒の勉強方法は、毎朝瞑想を行い、いわゆるゾーンと呼ばれる集中力が極限まで高まった状態に入った後、まず英語の速読に取り組むというものでした。
さらにそのときは、可能な限り本物に近い英語に触れるために雑誌のTIMEを購読していました。
毎週水曜日にTIMEが家に届くと、すぐに全てのページをくまなく読み始めました。このときゾーンに入った状態で読み始めると、常に最高の心の状態を維持したまま読み続けることができたそうです。
礒は1分間に200ワード以上のスピードで読み、かつ理解できたという感覚が掴めるまで、英語の速読の練習を止めませんでした。これも瞑想と同じく、時間で決めて止めるのではなく、自分が到達している状態によって止めるかどうかを決めていました。
調子のいい日は1時間ほどで感覚を掴めることもありましたが、調子のよくない日は2~3時間かかることもありました。
しかしどんなに時間がかかっても、感覚が掴めるまで速読を続けていたので、その日の勉強が英語だけで終わってしまうこともあったそうです。
また、風邪を引くなどの体調不良により1日でも読めない日があると、速読のスピードは格段に落ち、元のスピードに戻すまで3日ほどかかっていました。そこから風邪を引いても英語だけは必ず読むようにしたそうです。
この勉強法を続けて2ヶ月ほど経過したときに、礒は違うレベルに到達したと感じるようになったそうです。