母が振り込め詐欺にあったスピリチュアル的意味 その6

母が振り込め詐欺にあったスピリチュアル的意味 その6

こうして色々あった母親だが、その母は、もうこの世にいない。
折り合いがつく前に、母親は旅立つ決断をしてしまったのだ。
母が逝った後は、どうやって父を守るかということが最初のテーマだった。

振り込め詐欺犯は実家の番号を知っている。
父が一人でいることが知られたらまた狙われるかも知れない。
実際、怪しい電話が一度かかってきた。

そんな経過もあり、母の死は、セミナーで話した以外、口外して来なかった。

でも、こうして父も母もいなくなった今、全てを振り返ってみたい衝動に駆られた。

この出来事は何だったのだろう?

一連の出来事を振り返ると、一般的にはひどい出来事にしか思えないだろう。

振り込め詐欺にあって、そこで傷ついた母が自分を責め続け、半年後に心臓発作で急死した。
その2年後に、後を追うように父親が他界した。

でも、こんな出来事にこそ、隠れた意味があり、プレゼントがあり、学びがあると考えている。
そんな視点で見直すと、この一連の事件の中にも、とても大きなプレゼントがあった。

それは、母との愛の対話だ。

振り込め詐欺にあってからの半年は、前述のような関係だった母に、無条件の愛を届けた半年だった。

離婚の後など、数ヶ月連絡をしないこともあったが、その半年は毎日のように電話をしていた。
そして、電話では、母親を勇気付けること、愛を届けることだけが目的だった。

これまでの人生で、こんなに母親に愛を届けたことはなかったと思う。でも、プレゼントはこれだけではなかった。

振り込め詐欺に払ったお金。あれは、母親の中では、私が困っていると信じて用意したお金だった。

物理的には振り込め詐欺犯にお金を渡したが、母親の気持ちの上では、あれは私に届けたはずのお金だった。それもかなり高額の。

それを思うと、胸が締め付けられた。
同時に、母親の愛を感じて、涙が止まらなくなった。

あんなに反駁していた事もあった私に、ビジネスで困ったという電話一本で、貯金のかなり大きな部分をためらいもなく用意してくれた母。

死後に貯金額を見て、あれは余裕があったから用意したのではなく、虎の子の貯金を切り崩して用意してくれたことを知り、さらに胸が熱くなった。

その事に最初に気づいたのは、振り込め詐欺にあった数日後だった。

そこで私は、その気持ちをそのまま母に伝えた。

「今回のことで、話しておきたいことがあるんだけど。
今回、結果見知らぬ人に大金を渡してしまったけど、あれは、お母さんの中では、僕に渡してくれようとしたんだよね?

そう考えると、とてもありがたいと思ったよ。
お礼を言っておきたいなと思って。。。

ありがとう。。。」

こう言いながら、私は涙で声が詰まった。
後にも先にも、母の前で泣いたのはこれが最初で最後だった。

結果、母が生きているうちに、最高の愛を受け取った。

そして、母が生きているうちに、心からありがとうを言えた。

これは、本来なら悲劇でしかない振り込め詐欺という事件があったからこそ起きた出来事だ。

どんな大変な出来事にも、そこには隠された最適な意味がある。こんな考えを広めるのを仕事にしている自分に降りかかった災難。

でも、こんな時こそ、いつも自分が周りに話している考え方を実践しないと。

そして、宇宙はおそらく、私が無理せずにこのハードルを乗り切れる時期が来たのを見計らって、この出来事を届けたのだろう。
感情は動くし、涙は止まらなかったが、宇宙からのプレゼントはしかと受け止めることができた。

父の話に続き、この話もあまりにパーソナルでシェアするかを迷ったのですが、自分の経験から何かメッセージが届けれたらと思い、こうして書かせて頂くことにしました。

私の仕事は、人生最適化®コンサルタント。
この仕事は、人生が全てうまくいっているから出来るのではなく、うまくいかないことがたくさんある中で、それを乗り越えた経験があるからできる仕事だと思っています。

そんな観点で、綺麗事だけでなく、自分に一番辛かった、泥臭い部分もそのまま曝け出すことで、何かメッセージが届けばと思いました。

でも、こう書いておきながらなんですが、本当は、今回の父親、そして母親のことを書いたのは、他でもない自分自身のために書いているのだと思います。

こうして両親が亡くなり、人生の岐路に立った今、自分の中で起きた出来事を整理したかったのだと思います。

人生には、本当に、ありえない!と思う出来事が起きたりします。
でも、一番大変な時に、一番大切なメッセージを見つけることで、人は前に進めるのだと思います。

こんな風に考えることができた時、人生はやっぱりいいものだ、と思えるのです。

長い文章に付き合って頂きありがとうございました。

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